DRAGON GATE プロレスフェスティバル2005in神戸

◆第0試合 戸澤試練の十番勝負 第十戦◆

新井健一郎阪神タイガースープレックス)●戸澤
頭をツルツルにして臨んだ試練の最終戦。ゴングとともに戸澤がアラケンに襲い掛かる。だが、現時点での実力差は歴然。周囲の思惑通りアラケンのワンサイドで勝負が進む。その状況だけに戸澤が反撃に出れば観客は一斉に歓声を送る。これまで何度となく沈められた逆エビ固めもこの日は耐え切り、観客のさらなる声援を一気に背負う。が、アラケンもその戸澤の根性に触発されたのか、戸澤のことを認めたのか、伝家の宝刀阪神タイガースープレックスをデンジャラスにえげつない角度で決める。

◆第1試合◆

横須賀享K-ness.新井健一郎(横須賀カッター→体固め)アンソニー・W・森、スペル・シーサー、●B×Bハルク
最初はPoS.の入場。ダンサーを従えて、花道でポーズを決めて、ハルクはダンサーのオネーチャンを傍に侍らせながら入場。ハルクのダンスの決めポーズの時の照明の影響か、ジャニーズのアイドルのように見えた。FM2Kは普通に入場。試合が始まると終始ハルクが捕まる展開。そんな中でもハルクの打たれ強さ、技のキレイさは着々とグレードアップしていた。シーサーは首のケガをかばってなのか今ひとつ目立たなかった。最後はやはりハルクが捕まり、横須賀カッターでピン。

◆第2試合◆

○エル・イホ・デル・イワサント、○ミシ・マスカラス(同時フォール)●ジョンソン・フロリダ、●ジャクソン・フロリダ
最初はマイケル&ダニエルで入場。しかし、一旦下がり、スカイハイで再入場。二人ともマスクをかぶっている。始まってみるとタル〜い試合だ。正直眠くなった。最後はジョンソンが横たわるマイケルイワサントとダニエルミシ・マスカラスの上にフランスパンを並べてジャクソンと一緒にプレスを試みるが、見事にはずれ二人とも自爆。起き上がった二人がそのままジョンソンとジャクソンをフォール。最後はジョンソンと仲直りってオチ。茶番だ。ま、本人たちもそれを十分わかっていた模様だ。
今大会営業本部長のストーカー市川も登場するが、出番はナシ。しきりにアピールするが照明を落とされる。

◆第3試合◆

吉野正人鷹木信悟(ライトニング・スパイラル→片エビ固め)火野裕士、●SUPER-X
この試合の火種は火野の鷹木の後背筋に対するジェラシー。それだけに火野と鷹木の対立が見たかった。正直キャリアの分火野が押すかと思ったが、そのキャリアさえも打ち砕く鷹木の問答無用のパワーで会場が沸き返る。そして、SUPER-X*1の得体の知れないオーラと吉野が対峙すると、その得体の知れないオーラを吉野のスピードが一気に吹き飛ばす。やはり吉野のスピードはすごい。そんなこんなで比較的BG優位のまま終盤に入り、鷹木と火野の間で勝敗が出るかと思いきや、因縁に巻き込まれた二人の間で勝敗が決する。吉野が放った柔道の大外刈りっぽい技でSUPER-Xを沈める。まんまと超肉体派の強さを見せ付けた格好だ。

◆第4試合◆

マグニチュード岸和田ラストライド→体固め)●谷嵜なおき
この試合の見所は一つ。「谷嵜が何をやらかしてくれるか」だけ。まず谷嵜が入場。練習生にドラム缶とセメント袋を台車で運ばせて、特攻服をまとい、マスクをして谷嵜が入場。コンクリート詰めして南港に沈めたろかby未知やすえのノリなのか。リングに上がるとドラム缶を担いでアピール。一方マグ岸和田は花道で水霧を吐き悠然と入場。コールが終わるや否や谷嵜が一気に突っかかる。しかし、実力差はいかんともしがたく、すぐに捕まってしまう。そんな中で岸和田の技を喰らっても何度でも立ち上がる谷嵜の姿に客は心を打たれたのか、会場は一気に谷嵜応援ムード。セコンドの堀口も懸命になおきコールを煽る。谷嵜は堀口譲りのトペ・トビウオを見舞ったりラストライドクラッチで切り返したりで試合を大いに盛り上げる。マグ岸和田もシングル戦要求された時は「誰や、お前!」と一蹴していたのがこの試合の中で「谷嵜!」と怒号を上げるまでになっていた。最後は谷嵜がラストライドで沈められる。あのラストライドはもう全選手の脅威の的だ。
正直、5分以内に仕留められるかと思ったが、10分近くまで粘ったのはビックリ。これが後楽園ホールでの試合だったら拍手だったな。個人的にはマスク剥がしにかかってマグ岸和田をもっとブチ切れさせてほしかった。そこまでやったら谷嵜に拍手送ってたな。

◆第5試合 スペシャルタッグマッチ◆

佐々木健介中嶋勝彦ノーザンライトボム→片エビ固め)天龍源一郎、●マグナムTOKYO
一番楽しみにしていたのがこの試合。まずは中嶋くんの入場。テーマに乗って花道を颯爽と駆け抜けるあたり若手の初々しさを感じる。引き続き健介の入場。「Take the dream!」が響き渡れば会場のボルテージは一気に上がる。中嶋くんも健介もケンスケファミリーのイラストの入ったコスチュームだ。次は天龍。圧倒的なオーラを放ちながらクラシカルなガウンをまとって悠然と入場。所々から「天龍〜!」の太い声援*2が巻き起こる。そして、しんがりを務めるのがマグナム。ダンサーがリングインすれば健介、中嶋くん、天龍がリングを出る。マグナムはピンクの傘を携えて前の3人とは違った華のある入場を見せ付ける。傘を天龍に渡すと天龍が傘を振るのを期待してか会場が盛り上がる。しかし、サックリ傘を畳みロープにかける。一通りコールを終えるとマグナムと中嶋くんがリングに立つ。しかし、マグナムは健介をしきりに呼び込む。すると健介は少し間を置いて歓声を誘って中嶋くんと交代。いきなりマグナムと健介だ。試合が始まるとマグナムはただひたすらに健介に立ち向かう。健介が中嶋くんにスイッチするとマグナムが攻め立てると思いきや、中嶋くんは若さに任せてアグレッシブに立ち向かう。中嶋くんの動きがすごく良かった。中盤健介とマグナムの攻防で、マグナムがコーナーに上れば中嶋くんのR15で落とし、会場は大歓声。場外では中嶋くんの3倍は生きてる天龍に容赦なく打撃を加える。天龍が健介と対立すれば今度は胸板へチョップ合戦。両者とも胸板が真赤になっていた。終盤マグナムが健介に捕まりやっとの思いで自陣コーナーに寄ってタッチを求めると天龍はパートナーのマグナムに張り手一閃。それに奮起してマグナムが敢然と健介に立ち向かうが、ノーザンライトボムを喰らい、無情にもカウントが3つ入ってしまう。試合後、「天龍がマグナムの叫びを聞いてください。」とマイクを振る。マグナムは這いつくばったままなかなか起きない。いざ起き上がると顔はクシャクシャで、「すげえ悔しいよ!」と人目をはばからず号泣していた。
この試合の、オレ的MVPは中嶋くんだ。すごくイキのいい動きを見せてくれていた。見ていて気持ちよかった。

◆第6試合 オープン・ザ・トライアングルゲート選手権試合◆

○CIMA、ドン・フジイ土井成樹<挑戦者>(マッドスプラッシュ→体固め)斎藤了ドラゴンキッド、●堀口元気<王者>
まずは挑戦者Blood Generationの入場。マグニチュード岸和田も加入してのポージング。マグニチュード岸和田のポジションはフジイさんの横。持っている筋トレグッズはダンベル。引き続き王者チームの入場。斎了のテーマに乗ってごく普通に入場。ベルトの返還、タイトルマッチ宣言を行い、コールが終わるや否やいきなり場外戦が始まる。正直どこを見ていいのかわからなかったためとりあえずビジョンの映像を見ておいた。ひとたび場内に戻るとこれまであったような普通の6人タッグ。ただ、堀口を捕まえての馬とびについてはBlood全員が参加していた。吉野も乱入は嫌いとか言いながらしっかりやっていた。マグ岸和田の馬とびはやはり迫力があった。キッドもアラビアンプレスやバミューダトライアングルを見せたりで観客の歓声を誘う。中盤、土井が堀口の腰のテーピングを剥がすとBloodのターゲットは堀口へ。後半は各選手がそれぞれの持ち技を披露する。そんな中でキッドのウルトラウラカンラナが発射されるがフォールは奪えず。自分はこの時点でDoが勝つ可能性がぐっと低くなったと見た。堀口もフジイさんにビーチブレイクを見舞うが、腰のダメージがあってかすぐにフォールに行けず。斎了とCIMAが技を出し合ってもカットが入ったりで試合を決定付けるまではできず。最後は堀口を集中攻撃。一度はCIMAのシュバインを喰らっても立ち上がるが、滅多に出さないゴリコノクラズム、久しぶりのマッドスプラッシュでCIMAが勝ちと王座を奪い取る。
試合後のマイクでは土井の二冠を称え、マグニチュード岸和田を会場に紹介する。「これからはマグニチュード岸和田の事を『岸和田兄さん』と呼ばんかい!」と促すと会場は一斉に「岸和田兄さ〜ん」とコール。そして、ドリームゲートも空いてるでと岸和田兄さんに挑戦させようと声をかける。

◆第7試合 オープン・ザ・ドリームゲート選手権試合◆

望月成晃<王者>(真・最強ハイキック→エビ固め)●TAKAみちのく<挑戦者>
自分の中ではTAKAみちのく横須賀享以上のテクニシャンで試合巧者でえげつないレスラーというイメージがあった。国歌斉唱の後試合が始まると、やはりそのまんまの試合運びだった。最初はモッチーが何回かキックで相手の動きをけん制しにかかるが、結構おとなしい立ち上がりだ。グランドに持ち込もうとすればどんな体勢からもTAKAがいとも簡単にモッチーのバックを取り、モッチーのスタミナを着々と奪いにかかっていた。グランドを凌ぐとTAKAのテーピングした腕にターゲットを絞り、容赦なくキックを何発も入れる。コーナーのターンバックルの上にTAKAの腕を置き、モッチーが蹴りにかかると待っていましたと言わんばかりに右足を取り、その足をターンバックルで打ち付けて痛めつけ、そのまま場外へ落下。手をおとりにした形だ。すると今度はモッチーが一気に劣勢になる。中盤までの痛めつけあいでTAKAが右手を、モッチーが右足を封じられる形となった。終盤になるとそれぞれが痛めた腕、足に活を入れながらフィニッシュに持っていこうとする。モッチーがツイスターに行けばカウント2でTAKAが返し、TAKAがみちのくドライバーⅡにいけばモッチーはフォールを許さず、さらにジャストフェイスロックもディックキラーもロープエスケープで耐え凌ぐと会場からは割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こる。最後は右足のハイキック、真・最強ハイキックでTAKAをマットに沈めカウント3が入る。これまた壮絶なタイトル戦だ。
試合後のマイクでは挑戦者のTAKAを称えていた。ジュニア三冠王者のTAKAが丸腰でドリームゲートに挑戦してくれた事に対し敬意を表するという内容だ。そして、今度はモッチーの方からTAKA三冠王者奪取に名乗りをあげ、一気に会場が沸き返る。最後TAKAが「今日は完敗だ。ドリームゲートチャ〜ンプ 望月成晃、いや、モッチ〜〜」と言い捨ててSUPER-Xと火野の肩を借りて退場する。モッチーが挨拶をし興行が終わる。

*1:元X'sのNO.3

*2:そのうちの一人が自分